朝霧が たちこめ たゆたう 今も見える 光と風に揺れて 遠くある 山並みの黒さ いつも見える 水平線さえ揺れて この世界が どれだけ汚(けが)れようと 高く暖かく まぶしく見える ともしび 涼しげな 絆が 解けて行く あからさまな夢が 恥ずかしく また一人歩く 人の波 谷間へと向かう 遠く響く 憂い人たちの歌声 悲しみども どうか目を奪わないで 広い大地に 挨拶をさせて 我が子にも そこにある墓標は 野の花で やさしい 沈黙と 涙だけ 捧げて 舞い上がる砂には 死の味が しても 西風に いざなわれ まどろめば 奇跡を感じる あからさまな夢が 覚めたなら 今日は しずかな 思いやりと 涙だけ 捧げよう |
コンセプトは「わけのわかんない歌」です。(バキッ!)
…いや、別に無茶苦茶な歌を作ろうというわけではなくて、『星行きの舟』以上に具体的な表現を抑えて、聴く人がそれぞれにどうとでも受け止められ、それでいて奥の方にある何かを感じられる、というようなものを目指しました。結果的にそうなっているかどうかは、もはや自分では判りません。それこそ、聴く人によって印象はかなり変わるのではないかと思います。
曲が出来た時点では「ピアノの弾き語り」風で行こうということだったんですが、仕上がってみるとちょっと印象が違っていますね。やっぱり歌詞のせいかしら?(笑)
「聴く人にどこまで伝わるか」という意味でこの路線は非常に難しいと思いますが、うまく行くと自分の思い入れがとてもピュアな形で表現出来るような気がするので、大きな魅力もあります。気に入ってくれる人が何人かでもいると嬉しいのですが。