【本の感想】

『禁断の秘技 Windows98 TIPS大全』

 なんとも大袈裟で安っぽいタイトルのこの本の内容は、ちっとも禁断でも秘技でもない、Windows98に関するTIPSの羅列。それも、とくにWindows98になって新しくなった部分を取り上げているというわけでもなく、Windows95または98のTIPS本という様相だ。安っぽいのはタイトルだけでなく、中身の解説文の調子も低俗週刊誌の記事のようで限りなく安っぽい。…と思っていたら、どうやらこの本は『週刊アスキー』誌の連載をまとめたものらしい。妙に納得してしまう。なにしろ著者が「禁断の秘技研究会」なのだから何をか言わんや、だ。
 しかし、単なるTIPS本と割り切れば、その内容はそれなりに有用だ。初心者にはかなり有り難いと思われる情報が多いし、Windowsを使い慣れたユーザーでもちょっとした設定項目の役割に案外気付いていないというようなことはままある。私の場合は少なくとも10項目近く役立つ情報が得られた。個人的な感想として、この本を買った甲斐は充分にあったと思う。
 「禁断の秘技」などというフレーズを信じてレジストリのタイトな設定やWindowsの内部構造にまで迫った解説などを期待すると完全に拍子抜けしてしまうと思うが、単純にTIPS本として読めば、この本はかなり多くの人に役立つだろうと思う。とは言え、半分以上は初心者向けの内容なので、「いくつかでも役立つ情報が得られれば御の字」というつもりでなければ買わない方がいいだろう。まあ、TIPS本というのはもともとそういうものなのだろうと思う。
 あ、それともちろん、センスの悪いタイトルや文章に腹を立てない心構えも必要なので、その辺りも覚悟してから買わないといけないだろう。(笑)

1999/03/25
『禁断の秘技 Windows98 TIPS大全』
禁断の秘技研究会 編
アスキー

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