【本の感想】

『Effective Perl』

 『はじめてのPerl Win32システム』でPerlへの入門を果たし、同時にまだ解らないことがいくつも残っていることを実感してしまったところで、この本のタイトルが目に飛び込んで来た。私は以前C++の習得に苦労している時、『Effective C++』という本が大変役に立ったという経験がある。件の本はいわゆる入門者を脱した「初級者から中級者」が上級者を目指すための本で、実践的なセオリーやハマリやすい落とし穴への注意などが標語形式の項目に分けて解説されている。文章もフレンドリーで非常に読みやすく、私のお気に入りの一冊だった(今は改訂版や続編が出ているらしい)。…で、そのPerl版が存在したわけだ。著者は違うが同じシリーズの本で、趣向や目的も大体同じらしい。これはもう、買うなという方が無理だろう。(そうか?)

 一読しての感想は、「看板に偽りなし」。非常に有用な本だと思う。私はこの本のおかげで、わだかまっていた疑問(主にリファレンスとパッケージについて)をかなり解消出来た。その他にも役に立つテクニックや有効な注意点、そして実践的な考え方など沢山のものが得られた。文章も明快で読みやすいし、「入門者を脱した」Perlプログラマには文句なしでお勧めの一冊。
 でも、個人的には『Effective C++』を読んだ時のように「暗闇で光明を見つけた」ような感動は得られなかったなあ。…まあ、C++の難解さに比べてPerlは非常にとっつきやすい言語だから、そもそも暗闇がなかったのだというだけの話かもしれないが。

1999/11/11
『Effective Perl』
Joseph N.Hall/Randal L.Schwartz 著
吉川邦夫 訳
アスキー出版局

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