【映画の感想】(ビデオにて鑑賞)

『シティ・オブ・エンジェルス』
★★★★

 巷での評判は今一つだったらしいけれど、私は割と気に入った。
 人間の姿をした「天使」たちが日夜人間社会を少しでも幸せにするべく働いている、という設定の時点で私は「じゃあ人間以外はどーでもいいわけ?」などと言いたくなってしまう方なのだが、とりあえずそういうことを脇へ置いておくことにすれば、この作品のテーマというかメッセージにはかなり共感出来る部分が多い。
 巷での評判が悪かったのは、公開時に甘い恋愛映画のような扱いで宣伝してしまったため、それを期待して観に行った人が拍子抜けしてしまったのではないかと思う。この作品は、男女間の甘い恋愛映画としての要素を大きく持っているものの、「そういう映画」としての出来は良くない。メインのテーマは明らかに他のところにあり、私としてはそれを楽しむことが出来たのだが、恋愛映画としての要素が大きく前面に押し出されていることも確かなので、そちらをメインに見て「なんだこりゃ」となってしまう人が出るのも無理はないと思えるのだ。
 はっきり言って、文句をつけ始めるとキリがないという面はあると思う。設定にしろストーリーにしろ演出にしろ、とにかく非常に強引かつ作為的な部分が目立つ。そんな中で恋愛と絡めて描かれるメインのテーマを味わうことが出来るかどうか、そしてそれに共感することが出来るかどうかで、この作品の印象は180度変わってしまうだろう。私は個人的に、割とウマが合ったということなのだと思う。

1999/12/10
『シティ・オブ・エンジェルス』
監督:ブラッド・シルバーリング
脚本:デイナ・スティーブンズ

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