頭がもうろうとしている。
そろそろ限界だ。
いくらなんでももう体がもたない。
ボールペンを持つ手がふるえている。
一体これは何枚目の見積書だろう。
目がかすんできた。
気が遠くなる。
もうだめだ・・・。
+ + + + +
「やりました!日本の山田選手、見事な記録で優勝です!」
「43時間53分12秒てすか・・・。大記録ですね・・・。」
「山田選手、書類にうずもれて眠っております。ごくろうさま、山田選手。日本に金メダルをありがとう。今は、ゆっくり寝かせてあげましょう。」
「・・・・・。」
「勝因は何でしょうね。」
「やっぱり、ほとんどの選手が10時間くらいでバカバカしくなって帰っちゃった事でしょうね。」
「そ、そうですね。しかし、これで世界に対する日本の印象も少しは・・・。」
「良くはならんでしょうね。やっぱり」
「はあ・・・。」
「誰が考えたんでしょうね、こんな企画。」