この作品は1988年4月1日に発表されました。要するにエイプリルフールに引っ掛けたかっただけなんですね。当時はまだパソコン通信というメディア自体が物珍しくて、せっかくのリアルタイム性を活かして遊んでみたいという思いが大きかったんです。
ネタとしては、「エイプリルフール」を「狼少年」に引っ掛けて「狼男」で味付けしてみようという、非常に作為的かつ強引なものです。(笑) 今読むとまとまりは悪くないんですが、ラストの表現が今一つですね。最後をもっとうまく決めたらかなり面白い作品になっていたんじゃないかという気がします。
MNでは「女言葉で書くのって不自然で大変だったんじゃないですか?」というコメントをいただいて、そんなことは全く感じていなかったので非常に意外だったことを覚えています。私はもともと会話を書くのが好きなので、セリフとしての女言葉には当然全く抵抗がなく、だから女言葉の一人称も苦にならなかったのだと思いますが、他の人はやっぱりそうでもないものなのかな、とちょっと考え込んでしまいました。