安アパートにセールスマン風の悪魔が訪ねてくる、というシチュエーションを一度書いてみたいと以前から思っていて、ようやく実現したのがこの作品です。とくに新鮮味があるというわけでもないんですが、なんとなくその後の展開に期待させる導入部として結構イケる部類なんじゃないかと思います。「三つの願い」的なモチーフも、手垢がつきまくってはいるものの魅力的であることに変わりはありませんしね。我が心の師、藤子F不二雄氏のマンガにも『メフィスト賛歌』なんていうのがあったりしますが。
そんなわけで、この作品は導入部とその後の展開が書きたかっただけというものなので、しっかりと構成を固めてから書いたものではないんです。そのためというのか何なのか、ラストまで書いたところでいきなりオチを変えてしまいました。それで伏線が一つ無駄になっていたりするんですが、そのままにしてあります。
MNでの評判は、かなり良好でした。突然変更した結果のオチに意外性があったためかもしれません。オチを急に変更したことはMNでも話に出しまして、「もとはどんなオチだったか想像がつきますか?」と振ってみたんですが、誰も応えてくれませんでした。(笑) ここで、これを読んでいる方に同じことを問いかけたら…、怒られちゃうかな?