私はどうやら、懐疑主義者で、不可知論者のようです。確かなことは言えませんが。
そんな私は、子供の頃から童話『はだかの王様』に対して疑問を持っていました。それを今回、ちょっとした気まぐれから形にしてみたのがこの作品です。何やら認識論のようなものも出て来ていますが、私の疑問というのはつまるところ、「王様を裸だと言った子供は、バカなんじゃないの?」という点に尽きます。まあ、根っからのバカかどうかは置いておくにしても、少なくとも世間一般で言われているように「勇気のある立派な行動だ」と誉められるのはおかしいんじゃないか、むしろこの子のしたことは愚かなんじゃないか、と私はずっと思っていたのです。なぜそう思うのか、子供の私にはよく解りませんでしたが、最近になって改めて考えてみて、初めて納得出来ました。
とりあえず私は、傲慢と思い込みが知性の対極だと感じているのです。